ピーナツの収量アップ

 わが菜園では、ピーナツを中心に菜園内の畝の割り振りを決めている。連作障害にならないように配置を決めるのが一苦労である。配置を決めると、あとは苗の本葉がしっかりとした頃を見計らって菜園デビューする。あまり早くデビューさせると、ナメクジにすべて葉を食べられてしまう。

 6月中旬になると黄色の小さな花が咲きだす。そのあとには子房柄ができ、それがじわじわと伸びて地中に刺さり中で実がふくらむ。花は9月初旬ごろまで咲き続けているが、このころに咲いたものは収穫時にまだ完熟していない。したがって、8月中に咲いた花をいかにうまく育てるかが収量を左右する。

 我が菜園で育てている種類はおおまさりである。種から軸が出て、それらがほぼ垂直に近い状態で上へと伸びる。8月ごろには40cmくらいの高さになる。これでは枝の上部で咲いた花から実は収穫できない。なぜなら、子房柄は最大伸びても25cm程度である。これ以上の高所で花が咲いても子房柄は地中にとどかない。収穫したときの株の上部には、子房柄が伸びその先端にわずかなふくらみができたものがいくつもできる。本来なら地中でピーナツになっているはずのものである。

 どうすれば株の背丈を低くすることができるか? これが最大のテーマである。まず最初に行ったのは、背丈が20cm程度になった時に先端をすべて摘心した。それによって脇芽を出させて、背丈を低いままにすることができるからである。先端のすぐ下から出た脇芽にはそれほど効果は得られない。これでもまだ背丈が伸びすぎる。さらに背丈を低くする対策が必要となってくる。ネットで覆い押さえつけようとしたが、目が大きくそこからまたも上へと成長を続ける。これは失敗であった。目から飛び出さないためには、さらに目の細かいネットが必要となる。そこで使用したのが寒冷紗である。これを株全体に被せて背丈を押さえつけ、トンネルハウス用の支柱でしっかりと抑え込んだ。これでピーナツの株はどんなにあがいてもこれ以上高さになることはない。ここで花を十分に咲かせればすべての子房柄は地中に突き刺さり、ピーナツを実らせることができる。これを実施したのが7月初旬である。どんどん花が咲き、他の畝の株とは明らかに違う背丈で育っていった。

 さて、いよいよ11月になり収穫の時期になった。が、収量はほとんどなかった。これだけ子房柄が土に入りやすくなっているにもかかわらず、なぜ収量がほとんどないのか。おそらく寒冷紗の目が細かすぎて、虫による受粉ができなかったものと思われる。それと、もう一つの原因は、寒冷紗で押さえつけられ、内部の密度が高くなりすぎて、うまく光合成ができなかったものと思われる。結局余計なことをせず自然に育てるのが最もいいということになった。

<ネット目が大きすぎた>

 

<寒冷紗ですっぽりと覆った>