トマトの受難

 今年のトマトは今までに例を見ないほど大きな被害を受けた。ミニトマトは毎年7、8本植えている。例年であれば、最盛期は2日に一度収穫し、直径20cmのザルに山盛り1杯収穫できる。ところが今年はザルに半分程度にもならない。原因は3つ。①木が枯れる。②尻腐れ病の発生。③害虫の大量発生である。

 木が枯れる件については全くの原因不明である。前年度のとなりの畝でトマトを栽培したのでその影響(連作障害)が出たのかもしれないが、今までは出たことがなかった現象である。7本植えた苗の3本が枯れてしまった。1本は実が大きくなりかけたころに枯れてしまった。残りの2本は収穫が始まってしばらくして枯れてしまった。じわじわと枯れるのではなく、1日で萎れてしまった。原因を調査中である。

 尻腐れ病も初めての現象である。これは調理用トマトのルンガとボンリッシュに多く発生している。原因として考えられるのは、カルシウム不足、水分不足、窒素過多、等である。例年と違うのは、入梅が遅く期間が短かったことくらいである。十分な水やりをしたつもりであったが、暑さが厳しくて足りなかったのかもしれない。

 害虫に関しては数年に一度異常発生する。今年は害虫が2種類発生した。かつて「害虫」(菜園コラム<その6>)で書いたのでそちらも参考にしてもらいたい。1種類目のタバコガの幼虫に関しては、実が青い時期にかじられて内部へ侵入される。一応実は赤くなるが、変形と内部の空洞で食べる気がしない。もう1種類の害虫はカメムシである。早春から異常に多く発生していた。菜園内のあらゆるものにしがみつき汁を吸いまくる。そら豆は全滅してしまった。すべての実に吸った跡が無数に残り、実がぼこぼこになってしまった。トマトも青いうちから汁を吸われ、見た目に凸凹や色の違いがはっきりと分かるほど影響を受けている。特に調理用のルンガやボンリッシュはそれがはなはだしい。真っ赤に完熟させてスープにしようとしたが、赤・黄色・オレンジのまだら模様になってしまった。

 7月中旬といえばミニトマトの収穫が最盛期を迎えるころである。しかし、今年は木が枯れ、ついている実のほとんどが尻腐れ病と穴あき、まだら模様である。早々に収穫をあきらめ撤収である。雨除けのビニールは、来年に向けてきれいに清掃して保管した。

 「トマトが赤くなれば医者が青くなる」といわれるくらい、トマトは健康に良いとされている。しかし、この状況を見れば医者は大喜びである。代わって、菜園主は真っ青である。

<タバコガの幼虫がガリガリ>

 

<カメムシがチュウチュウ>

 

<まだら模様のトマト>

 

<次々に枯れる>