その26

<26-1>昆虫はすごい(丸山宗利)
 
サムライアリは労働力が足りなくなると、近くのクロヤマアリの巣へ出かけていって、成長した幼虫や蛹を奪ってくる。そして成虫になったクロヤマアリの働き蟻を奴隷とするのである。クロヤマアリは敵味方の分からない、つまり、「物心の付かない」幼虫や蛹の時に連れてこられるので、成虫になったときには自分たちの生まれ育った巣だと思い込んで、あたかもそれが当然であるかのように労働を行うのである。
 
<26-2>サブプライム後に何が起きているのか(春山昇華)
 
ダブルAでも十分に投資対象たりうると思われるだろうが、債券投資の世界では、格付けが1ランク下がれば大変な価格下落となる。それほど、トリプルAとそれ以下の格差は大きいのである。
 
<26-3>プロ弁護士の思考術(矢部正秋)
 
企業のお家騒動や労使紛争でも、最初の3ヶ月以内に解決できないと、紛争は長期化する。さらに、その後3ヵ月(合計6ヶ月)を経ても解決しない紛争は、泥沼化する危険性が高い。だから、3ヵ月後を見通すことが大切である。「今ここで妥協しなければ3ヵ月後にはどうなるか」を考える。紛争が長期化、泥沼化した場合の不利益をあらかじめ考えておくことが有益である。
 
<26-4>ビールは、本当は体にいいんです!(戸部廣康)
 
2011年に米国ロヨラ大学シカゴ校ストリッチ医学部の研究チームは、適量の飲酒が認知症のリスクを低減させる可能性があると発表しました。男性で500cc、女性で250ccまでの適度な飲酒をする人は、認知症、アルツハイマー病、そのほかの認知機能障害の発症率が23%低いことが判明しました。
 
<26-5>迷いと決断(出井伸行)
 
私はGE(ゼネラル・エレクトリック)前CEOのジャック・ウェルチ氏はじめグローバル企業のCEO仲間に学びながら、導眠剤の選び方と飲み方を熱心に研究しました。その結果、翌日まで残らないタイプの薬を見つけ、これを4時間くらいぐっすり眠れる分量だけ飲むのがいいことがわかりました。そして深夜2時をすぎたら絶対に薬を使わない、という自己規制も設けたのです。翌日まで頭がぼんやりするような薬や分量を使うと、眠れたのはいいけれど肝心なときに頭が働かない、という最悪の事態が起こってしまいます。
 
<26-6>会議で事件を起こせ(山田豊)
 
ファシリテーション=個人と集団の力を最大限に引き出しながら、限られた時間の中で、場の目的達成を促進する働き。
 
<26-7>中華美味紀行(南條竹則)
 
とにかく、北京だろうと、上海だろうと、台北だろうと、香港だろうと、炒飯といえば「揚州炒飯」なのだ。
 
<26-8>嫉妬の世界史(山内昌之)
 
日本の陸軍はドイツから多くを学びながら、信賞必罰や戦時昇進といった能力主義をついに実現することができなかった。
 
<26-9>搾取される若者たち(阿部真大)
 
配車係りはライダーたちが思う自分の限界より少しきつめの仕事を出す。そうすることで、ライダーの「ベストラップ」を更新させ続ける。こうして、配車係りはライダーたちの頼れるコーチとなる。「行ける行ける!」「余裕!」「がんばれ!」「よくやった!」などが彼らのよく口にするフレーズである。
 
<26-10>99.9%は仮説(竹内薫)
 
海外では、マイナスイオンがからだにいいという話はあまり耳にしません。さらに驚くべきことに、マイナスイオンの実態も不明です。
 
<26-11>まる儲け(大田勝)
 
化粧品用のコットンはなんのためにあるのか、ご存知だろうか。あれは、化粧水を早く消費させるためにメーカーが考え出したものだといわれている。
 
<26-12>電通「鬼十則」(植田正也)
 
広告業界では、38歳がクリエイティブ能力の発展する頂点という説がある。この辺から創造力と想像力が伸びないということである。少なくとも広告ビジネスの世界では、36歳前後にある種の才能を表さない人は、その先がおよそ見えてくる。残念だけど、事実のようだ。一流と三流の分かれ目である。広告界ばかりでなく、一般のビジネスの世界でも、この説は適用して間違いない。
 
<26-13>アスペルガー症候群(岡田尊司)
 
シリコンバレーでは、アスペルガー症候群の人の割合は、驚くほど高いのである。
 
<26-14>新型インフルエンザ(山本太郎)
 
アメリカで毎年約3万6000人、日本でも毎年約1万人がインフルエンザで死亡していること、熱帯地域におけるインフルエンザの死亡率が、先進国と呼ばれる日本やアメリカより高い可能性あることなどを考慮すれば、世界中で相当数の人々が毎年インフルエンザのために死亡している可能性は否定できない。ある専門家によれば、「毎年100万人近い人々がインフルエンザのために死亡している」と考えてもおかしくないという。現在、毎年世界で結核によって約200万人が、マラリアによって約100万人が死亡している。
 
<26-15>巨人軍論(野村克也)
 
「足が速い、球が速い、遠くへボールを飛ばす。そういう天性を持った選手をまずとってください」というのは、天性ばかりは鍛えられるものではないからだ。努力して身につくものでもない。
 
<26-16>コレストロールと中性脂肪で、薬は飲むな(大櫛陽一)
 
グリコーゲンは約8時間分、中性脂肪は約55日分の基礎エネルギーを蓄積できると言われています。これらは、食事と食事の間や夜間のエネルギーとして使われます。
 
<26-17>日本のロマネ・コンティーはなぜ「まずい」のか(渡辺順子)
 
フランスのAOC法は、AOC認定された畑に対し、気候条件に人為的に手を加えることを禁止しています。どんなに降水量が少なくても、畑に水をまいてはいけないのです。そのため、AOCクラスのワインにおいては、各年の気候が、ダイレクトに出来栄えに反映されます。
 
<26-18>適当論(高田純次)
 
煙草は70歳までに病気にかからなければ一生大丈夫だと思います。私が老人専門の総合病院に勤めていたときに、隣接して老人養護施設があったんですが、そこで煙草を吸う人、吸わない人に分けてそれぞれの生存曲線をデータで出したんです。その結果両者にはまったく差が出ませんでした。なぜそんな結果になったかと言うと、煙草が原因で亡くなる人は、その歳になる前に亡くなっているということなんですよね。
 
<26-19>クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?(西田宗千佳・神尾寿)
 
電子書籍というと、どちらかというとITリテラシーの高い若い世代向けのように考えられがちだが、ユニバーサルデザインという観点に立てば、むしろ高齢者向けにこそ新たな市場と紙との共存の道がある。見やすさという点でもそうだし、内容の多い本でも電子書籍なら重くならないという点も、お年寄りに喜ばれるだろう。実際アメリカではキンドルの主要顧客層の一つが高齢者である。
 
<26-20>自転車入門(河村健吉)
 
ドイツのことわざでは「トラック1台分の薬より1台の自転車の方が健康によい」という。
 
<26-21>意思決定の技術(ハーバード・ビジネス・レビュー)
 
選択肢が多いほど、人は現状維持の方向に傾くという事実が証明されている。
 
<26-22>なぜ、習近平は激怒したのか(高口康太)
 
胡錦濤、習近平と直近の総書記経験者2人は、総書記就任の5年前に常務委員入りを果たしている。次期総書記が同じルールをたどるとすると、2017年に常務委員入りし、2022年から10年間にわたり総書記を務めるという条件をクリアできるのはわずかに湖春華広東省委書記と孫政才重慶市委書記の2人だけである。波乱がなければどちらかが総書記となり、もう一方が首相となるだろう。次期党大会で両者がいかに処遇されるかが注目される。もしどちらか片方でも常務委員に選出されないようなことがあれば、習近平の長期政権という波乱は間違いないとみるべきだろう。
 
<26-23>人間は脳で食べている(伏木亨)
 
ラットが選ぶビール銘柄と、人間が極限近くまで大量に飲んだときにまだおいしく飲めるビールの銘柄とがほぼ完全に一致した。ビールを大量に身体で飲むならば、ラットに聞けばおいしいのを知っている。
 
<26-24>地球の内部で何が起こっているのか?(平朝彦)
 
駿河トラフ、南海トラフで起こった巨大地震には、季節性があることが知られている。684年から1946年までに12回の巨大地震があったが、一番多かったのは12月で5回。一方3月から7月までは一回も起きていない。つまり、この海域の巨大地震は秋から冬にかけて起き、特に12月に集中する。
 
<26-25>岸朝子の「食」の作法も美味のうち(岸朝子)
 
意外に知られていないのが、ターンテーブルを回す方向。ついそのときどきで自分に好都合なように、右にも左にも自由に回していませんか。回す方向は右回り、すなわち時計回りの一方向のみです。