27.ウエアラブル端末
自力車でも書いたが、ウエアラブル端末が面白い。運動をしないので関係ない、というものでもない。健康維持のためにも面白い端末である。何がどう面白いのか? その機能の一部を紹介する。1日中付けていると、その間の心拍数をすべて取り込んでくれる。美しい女性を見ると思わず心拍数を確認してみたくなる。ひょっとして心拍数が上がっているかもしれない。しかし、残念ながらこの程度ではピクリともしない。やや感性が欠けてきたのだろうか? もっと何事にも感動する研ぎ澄まされた感性が必要である。どうも最近創作活動に意欲が湧かなくなったのはそのせいかもしれない。ちょっと反省する日々である。
このウエアラブル端末の活用で面白いのは睡眠に関してである。これを付けたまま寝ることで、睡眠の質を分析してくれるのである。睡眠に関してよく知られている現象は、レム睡眠とノンレム睡眠である。詳しく書くと、レム睡眠(脳が活動している、眼球が動く、呼吸は増加し浅くなる、心拍数は増加し不規則になる、体は休んでいる)のときは浅い眠り、ノンレム睡眠(脳は休息している、眼球は動かない、呼吸は安定し深くなる、心拍数は安定し少なくなる、体は休んでいるが筋肉はある程度働いている)は深い眠りということになる。一般的に健康な人は、入眠後ノンレム睡眠でその後はレム睡眠に移行する。このサイクルを90~120分間隔で繰り返すという。後半は浅い眠りのレム睡眠が増え、早朝にレム睡眠が多く出現するらしい。
ウエアラブル端末で得たデータをPCに表示すると、レム睡眠とノンレム睡眠を色分けして時系列で表示してくれる。上記内容とぴたりと当てはまるときは、寝起きがいいのと同時に爽快な朝が迎えられる。これとは逆に、ノンレム睡眠が短かったときや、短時間でレム、ノンレム睡眠を繰り返していたとき、起床前にレム睡眠が短かったときなどは寝覚めが悪い。なかなか見事に当てはまっている。
と、いうようなことには感心しつつも、「レム睡眠中に記憶の整理や定着が行われ、夢を見るのもこの時だといわれている」という内容にはちょっと複雑な感情を持っている。過去の睡眠状況を見ると、決してレム睡眠が短いわけではない。にもかかわらず物覚えが悪いのである。これはどう理解すればいいのだろう。やはり、・・・。
PCの表示には現れないのであるが、ウエアラブル端末にははっきりと現れている現象がある。これには直近の4時間分の経過が表示される。これを見ると、睡眠中に数分間表示がない部分が出てくるときがある。誤動作であるとは思うが、ひょっとすると心拍数がゼロになっているかも? つまり心臓も熟睡中? たまたまかもしれないがノンレム睡眠中に現れているのが気になる。これ以上深い眠りにはつきたくないのだが・・・。
今まで睡眠は時間の長さで評価をしてきたが、どうにも納得できないときがあった。いくら長時間寝ても眠く、疲れが取れないときがあったからだ。そんなときは、寝過ぎるとよけいにだるさが出るのかもしれない、と思っていた。しかしそうではないことが、この端末を使うことでわかった。睡眠は時間だけではなく質にも関係するということを、具体的に目にすることができるようになった。良質な睡眠を確保するために、日中の運動量、睡眠時刻、照明、音楽等の有効性を検討している。それらを日々変化させてデータを収集中である。中でも最も確認したかったのは寝酒の効用である。これは毎晩どのような状況であっても確実に行っているので、結果が出るのは早かった。運動量、睡眠時刻、照明、音楽等には全く無関係で、入眠に関する効果は抜群。いついかなる場合も、布団に入るや否や熟睡、すぐにノンレム睡眠を開始していることが一目瞭然である。一般論とはかなりかけ離れるが、寝酒は超高品質な睡眠を提供してくれているのである。いや、きっと提供してくれているに違いない、と思いたい。あとは心拍数計が正常に動作してくれることを祈るばかりである。