124.ギャンブル

 世の中にはギャンブルと名の付くものが多数ある。身近なものでは、競馬、競輪、競艇、パチンコ等。これらが倒産することもなく今現在まで続いているところをみると、それなりに利益を生んでいるからであろう。競馬、競輪に関しては開催日が限られているので、休日の度にする事は不可能であるが、ほとんどが土日が開催となっているので、できる可能性が高い。競艇に関しては週6日間の開催ということでほとんどの人が休日にできる。回数が少なければ、それだけ一回に賭ける金額が高額になるため、結局は同じ事になるのだろうとは思うが・・・。問題はなぜギャンブルがなくならないのかということである。理由は2つ。一つは法的規制がないこと。もう一つは、運営していけるだけの利益が上がるからである。売り上げの一部が税金という形で国や県、市に入る以上法的には規制されることはまずないであろう。もう一つの利益を産み続ける件であるが、一部地方競馬ではこれが崩れつつあるが、それ以外ではまず問題なく運営されている。つまり、それだけギャンブルに参加する人がいるからである。ギャンブルを運営する以上、設備維持や人件費が相当にかかるはずである。その費用は当然自ら稼ぎ出さなければならない。掛け金の一部が最初から天引きされ、残りを配当金として分配するのであるからギャンブラー全員が儲かるはずがない。競馬であれば、25%を天引きされた残りを配当金として分配される。馬券を買った時点でその75%の価値しか持たないことになる。ここで勘違いするのが、これが当たれば10倍、100倍、3連単なら1000倍になることもあると考えていることである。購入した時点で損をしているにもかかわらず、儲けを期待するところに問題がある。これほどはっきりとした事柄に気づかずに、人はギャンブルを続けているのだろうか。いや、全員それは気が付いているのである。気が付いているのだがやめられないというのが事実であろう。これを説明するのに、もっともふさわしい事例は禁煙であろう。たばこが体によいと信じている人は、ほとんどいないであろう。たばこを吸わない人に比べて肺ガンになる率が高いという事実を知っていても、自分だけは大丈夫だと信じている。しかし、もし何の苦労もなくたばこをやめられるとすればやめますか、という問いかけにはおそらく全員が賛成するだろう。つまり、苦労をしてまでやめるつもりはないが、苦労をしなくても良いのならやめたい。苦労をするくらいなら、自分をだましてでも続けたいというわがままな気持ちがそうさせている。ギャンブルも同じく、何の苦労もなくやめられるものならみんな止めたいに決まっている。決して儲からないのであるから。

 たばこもギャンブルも麻薬性があるため、やめるためにはそれなりに苦痛を伴うのである。できる方にかけるか? それとも失敗するほうにかけるか?・・・結局ギャンブルである。