119.山歩き(その4)

 山歩きをよくする。山歩きといっても、本格的なものから散歩程度のものまである。ここでいう山歩きは、標高差300m、往復8~10km程度のものについてである。休憩なしで歩くと2時間程度であるが、目的地でちょっと腰を下ろし休憩すると2時間30分程度である。

 運動を兼ねて歩くと冬でも相当な汗をかく。夏では1ℓと0.5ℓのペットボトルに冷水を入れていく。これでも足りないくらいにのどが渇く。それに比べると冬では極端に量が減る。飲まなくてもいいのであるが、汗をかいている以上は水分が減少していると思うので無理やり飲んでいる。のどが渇いていない上に美味しくないので、体にはいいと思われるが苦痛である。これを何とかしようといろいろ考えた結果スープを持っていくことにした。近所のデパートで北海道展をやっていた時に購入したオニオンスープである。顆粒状のものに熱湯を注いで作る形式である。これは適度に水分と塩分を摂ることができてなかなか気に入っている。

 次に解決しなければならない問題は食べ物である。何も食べずにじっと座って休憩というのも、なんとなくその場にそぐわないような気がする。周りでは、おにぎりやサンドイッチを食べている。食後にはお菓子や飴を食べてくつろいでいる。なんとなくほっこりとした光景である。ひたすら減量や健康管理の一環としてやっているのとは違って、和やかなムードが漂っている。では、当方も何か食べ物をと思い、おにぎりやサンドイッチを試してみた。この程度の山歩きではこれらを食べるのは負荷が大きすぎる。とても食べきれるものではない。もっと軽い食べ物がいい。菓子類も試してみたがしっくりとこない。ある時、隣で魚肉ソーセージを食べている人がいた。これは非常においしそうに見えた。早速次回それを試してみたが、魚肉ソーセージ自体がそのままではあまりおいしくない。これは即中止である。その後も何かいいものがないかといろいろ試してみた。その結果、ゆで卵が最もふさわしいという結論になった。味、量ともに最適である。ただ、味に関しては半熟のゆで卵を食べたいのであるが、これはかなわなかった。条件の悪いところで、半熟の卵の皮をむくことが非常に困難であるからだ。ここはしっかりと中まで火が入り黄身がしっかりとしたものに限る。最も重要なことは塩を忘れないことである。卵だけでも美味しいのであるが、これに塩をちょっと多めにかけるとさらに美味しさが増す。生理的に塩を欲しているのであろう。卵を食べ終わっても、手のひらに残っている塩をなめてしまう。

 日常生活においては塩分の摂り過ぎはよくないという。大量に汗をかいたときは水分だけでなく塩分の補給も必要だという。山歩きで大量の汗をかいたときはどうすればいいのだろう。体内には日ごろの塩分が大量に残っていそうであるが・・・。