ヒョウタンアートの第1弾である。これらはヒョウタンを適当な場所で切断し、猪口になるように部品を組み合わせたものである。これらを接着し、漆で仕上げてある。ヒョウタンで作るメリットは2つある。その1つは重量である。ヒョウタンは表面の0.2~0.3mmにプラスチックのような硬さと滑らかさがある。その内側は3mm程度がコルクのような材質で出来ている。この両面を漆で塗り固めると、適度な厚みを持った断熱材となる。こうすればコルクのような部分が水分を吸うことはない。これで酒を飲めば、冷酒は冷えたまま、熱燗を入れれば熱いまま飲むことができるのである。これほど理にかなった猪口はヒョウタン以外の材質では作れないだろう。もちろん重量も考慮した場合のはなしである。チタン製で保温性を持たせた構造の器を見たことがある。しかし、チタンがいくら軽量であるといっても、ヒョウタンの軽さにはかなわない。比較のために同じ程度の容量の陶器製の猪口と重量を比べてみた。陶器製猪口が70g、ヒョウタン製猪口は20gである。いかに軽いかがよくわかると思う。これで保温性がいいのであるから、これ以上望むものはない。天然素材を使った高機能猪口である。